例の穴。あの王様の耳のたぐいの。

大声で独り言を言っています

右傾化と嫌韓

さて昨今ではネットの影響から日本の世論、意識が右傾化しているという指摘はかなり多く見られます。特に韓国(場合によっては中国、北朝鮮)が批判される文脈の中で言われているようです。カウンターと称されるネトウヨの言論に対抗する方々は特に2chでの一方的な言論がまとめブログで増幅したことに原因を見られているようです。

それ自体はネトウヨ側の私もある程度納得感がありますが、そもそも右傾化するとはどういうことなんでしょうか。右傾化=嫌韓なんでしょうか。ちょっと妙な気がしないでしょうか。

右翼という言葉の語源からするとフランス革命時の国民議会の席次から保守的な考え方をするということですから、右傾化とはどんどん保守的な考えになっていっているということです。では保守とはどういうことでしょうか。「保守主義の父」と呼ばれるエドマンド・バーグの考えを私なりに援用すると理性によって考えだされた自然権、人権によるのではなく、過去に生きた人々の知識、考え方が形成してきた摂理によって考えるということとなります。

ということは右傾化=嫌韓とするならば、昔の人々の考えに基づき嫌うようになったということになります。

では韓国は昔は嫌われていたので改めて嫌われるようになったのでしょうか。それとも韓国が変わってしまい、昔の考え方に立脚すると嫌われるはめになってしまったのでしょうか。私はこの考え方は意味がないものと思っています。物事は常に移り変わるし、昔もその時点の切り取り方で韓国を友好国だと考えていたり、敵対国だと思っていたり様々です。現代に日本の対韓感情が日韓基本条約締結時と河野談話発表時で一貫していると考えている人はいないでしょうし、朴正煕大統領と朴槿恵大統領の対日政策を比較して韓国が連合国の占領下からの独立以来常に一貫した主張をしていると考えている人もいないでしょう。

つまり右傾化しようが左傾化しようが韓国が好かれることと、嫌われることは関係ないのです。その証左として一般的に左寄りと呼ばれる朝日新聞は戦後の記事の中で韓国批判をしたり韓国友好を訴えたり移り変わっています。

ということは、本屋さんに嫌韓本が並んでいるという状況をみて、右傾化を言う人がいますが実は関係ありそうで関係ないことを適当に結びつけいているということになります。

その手の人に対しては、ネトウヨの人はちゃんと何も考えていないアホだよねと指摘してあげましょう。カウンターの人は自分たちの考えの足を引っ張るアホとしてちゃんと総括してあげましょう。

そういう意味では前回の茂木さんはまだましだったということです。

じゃあネトウヨとそのカウンターは何で対立しているんでしょうか。ネトウヨとはなんなんでしょうか。またの機会に考えてみようと思います。